前回の記事 「つづり字記号(アクサン)の種類まとめ」 では、フランス語にある5つの記号の全体像と、発音に影響する/しない/意味を区別する という3つの視点で紹介しました。
この記事では、その中でも “c の音を決定的に変える特別な記号” セディーユ(cédille) を取り上げ、特徴・発音・例をわかりやすく解説します。
セディーユとは何か?
c の下についている、カギのような印。
Ç / ç
─ これがセディーユです。
セディーユ(ç)は、c の発音を [k] から [s] に変える記号 です。
形は “c の下の小さなフック(ひげ)” のようなものをつけます。
つづりは ça / ço / çu の3種類にのみ現れます。
セディーユの特徴(基本ルール)
1. つくのは c の下だけ
ç は a / o / u の前の c を [s] に変えるための記号です。
2. つかないと [k] の音になる
café(カフェ)= [ka]
→ c は [k]
ça(サ)
→ ç がついて [sa]
3. 発音を“読みやすくする”ための記号
セディーユは、
フランス語の発音を規則的に保つための道具
という位置づけ。
セディーユの例
では、具体的にセディーユのついている単語を見ていきましょう。
café|c → [k](カ)で読む例
café(カフェ)
意味:コーヒー
→ セディーユなしの c は [k] の音で読む。
ça|ç → [s](サ)に変わる例
ça(サ)
意味:それ/元気?(ça va?)
→ ç が付くと [s] の音に変わる。
garçon|語中の ç が [s] に変える例
garçon(ギャルソン)
意味:少年/ウェイター
→ 語中の ç も [s] の音にする。
français|語末近くでも ç が機能する例
français(フランセ)
意味:フランス語/フランス人
→ fran + çai の部分で ç → [s] に変わる。
学習者がつまずくポイント(初心者向けアドバイス)
「c と ç の違い」を見落としがち
→ 細い線一本で意味と発音が大きく変わります。
garçon のように見慣れない位置につく
→ ç は 語中 に現れることも多い。
“s に見える”という覚え方が便利
→ s のように見える、s のように発音する。
このセディーユをはじめて習ったとき、フランス語の先生が、この ç を黒板に白色で書いて、上からピンクのチョークで、「ほら、(うえからなぞって)s に見えるでしょ?」と言って教えてくれたのが忘れられないです。
まとめ(要点3つ)
- 単語は 記号込みで覚える のがフランス語の基本。
- セディーユは c の音を「k → s」にする記号。
- つくのは ça / ço / çu のつづりだけ。
フランス語の “小さなひげマーク(ç)” は、見た目よりずっと働き者の記号です。
最初は「どうして c にひげが…?」と思うかもしれませんが、意味と発音をスッとつないでくれる心強い味方。少しずつ触れながら、自然に慣れていきましょう。
関連リンク(アクサンシリーズ)
セディーユが理解できたら、他のつづり字記号との違いも見ておくと理解が深まります。
▶︎ アクサン・テギュ(é)
▶︎ アクサン・グラーヴ(è, à, ù)
▶︎ トレマ(ë ï ü)
▶︎ アクサン・シルコンフレックス(â ê î ô û)
▶︎ 【まとめ】つづり字記号(アクサン)の種類と意味
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— ABC French
