前回の記事「フランス語の発音規則:つづり字記号(アクサン)の種類」では、5つのつづり字記号を紹介しました。
その特徴として、
- 発音に影響するもの
- 発音に影響しないもの
- 意味に影響するもの
の3分類について、それぞれのつづり字記号について説明しました。
今回は、5つのつづり字記号の特徴を一つずつわかりやすく解説します。
- アクサン・テギュ
- アクサン・グラーヴ
- トレマ
- アクサン・シルコンフレックス
- セディーユ
この記事では、トレマについてみていきます。
トレマとは何か?
タイトルの答えをまず一言で!
e E や i I や u U の上についている「チョン」
Ë ë
Ï ï
Ü ü
つまり、これのことです!可愛いですね。
トレマの特徴
「アクサン」というと、つい「強く読むのかな?」と思われがちですが、強く読むわけではありません。トレマには、母音と母音をわけて発音する働きがあります。
母音と母音をわけて、ということですが、トレマがつくのは、ふたつめの母音です。
発音に影響するもの
eにつく「トレマ」は、eの[ウ]の音を[エ]の音にする働きがあります。
発音に影響しないもの
i と u につく「トレマ」は、発音に影響しません。
意味に影響するもの
mais(メ)は、「しかし」という接続詞ですが、i の上にトレマをつけた maïs(マイス)は「とうもろこし」の意味です。
トレマの例
では、具体的にトレマのついている単語を見ていきましょう。
例えば、日本でもおなじみの単語「ノエル」はクリスマスという意味のフランス語ですが、Noel というふうに、トレマがなければ、「ヌル」という発音になり、なにがなんだかわかりません。そこで、ふたつめの母音にトレマをつけると、母音と母音をひとつずつ発音するので、「ノエル」となります。
ほかの例としては、次のようなものがあります。
maïs | corn | mais (but) is pronounced [mɛ] | ||
caraïbe | Caribbean | “caraibe” would be pronounced [ka rɛb] | ||
naïf | naive | “naif” would be pronounced [nɛf] | ||
canoë | canoe | “canoe” would be pronounced [ka no] | ||
Noël |
まとめ
この「ちょん」は何だろう?と疑問に思われる方がとても多いので、レッスンではしっかりこの「つづり字記号」について、その意味や特徴を説明しています。
そうして、ようやく「あぁそうなんだ!」と納得して、フランス語を学び始めることができるわけです。もやもやを残さず、毎回のレッスンで疑問をすっきり解説していくことはとても大切ですね!
トレマは、ふたつの点がちょんちょんとあって、可愛いですね。あってもなくても、そのアルファベットの音は同じ発音ですが、意味が変わるので、しっかりと覚えていく必要があります。
「つづり字記号」の意味や特徴を知らなくても、単語を覚えるときは、つづり字記号とセットで記憶していくことで、なんとなく特徴をつかんでいく方法もあります。
難しいなと思うかもしれませんが、とにかく「つづり字記号」はあるものとして、覚えていくのです!こういう学習の仕方も大切ですね!
試験などでも、アクサン(つづり字記号)つけ忘れは減点の対象です。コツコツしっかり覚えていきましょう。
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特にフランス語では、つづりと発音が一致しないと読めるように(発音できるように)ならないからです。学習が進むにつれ、初歩の段階でしっかり学習しておかないと、あいまいなまま学習事項だけがどんどん進むことになります。
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