フランス語の発音が滑らかに聞こえる理由のひとつに、母音と母音が連続するときの“省略のルール” があります。その代表が エリジオン(élision) です。
この記事では、エリジオンのしくみ・例文・役割を初心者にも分かりやすく整理して説明します。
エリジオンとは?
エリジオンとは、
語末の母音(主に -e)や母音で終わる短い語が、次の語が母音/無音hで始まるときに、省略されてアポストロフになる現象
です。
例:
- je ai → j’ai
- le ami → l’ami
- que elle → qu’elle
フランス語を学び始めるとすぐ見かける形ですが、最初からルールを暗記する必要はありません。学習を続けるうちに自然と身についていきます。
基本例(よく使うものだけ覚えれば十分)
エリジオンが起こる語:
ce / de / je / me / te / se / le / la / ne / que / si など
最初は、よく使うものだけ理解すれば大丈夫です。
代表的な例
① C’est 〜
英語の “This is 〜” にあたります。
本来は Ce est → C’est の形です。
② j’ai / j’aime
- je ai → j’ai
- je aime → j’aime
※ 発音しやすさのために自然とこの形になります。
③ l’ami / l’école
- le ami → l’ami
- la école → l’école
④ qu’elle / qu’on
que elle → qu’elle
que on → qu’on
→ どれも“母音+母音”を避けるための省略です。
エリジオンが起こる理由(発音のしやすさ)
フランス語は 「音の流れを優先する言語」 です。
母音と母音が直接つながると、発音しにくく、聞き取りにくくなるため、エリジオンで音をひとまとまりにして、滑らかに発音できるようにしているのです。
アンシェヌマンやリエゾンがあるのも、同じ “発音のしやすさ” を大切にして発展したためです。
アンシェヌマン・リエゾンとの違い
| 現象 | 仕組み | 例 |
|---|---|---|
| エリジオン | 語末母音が消えてアポストロフになる | je ai → j’ai |
| アンシェヌマン | もともとある音を次の語に連結 | il aime |
| リエゾン | 普段は発音しない子音が現れる | des amis |
覚える軸はこれだけ
- エリジオン → 消える(アポストロフになる)
- アンシェヌマン → ある音をつなぐ
- リエゾン → ない音が現れる
学習者がつまずくポイント(アドバイス)
アポストロフが多すぎて混乱する
→ まずは “j’ / l’ / qu’ / c’ ” だけ覚えれば十分。
h の種類で迷う
→ 無音hはエリジオンが起こり、有音hは起こらない。
→ 単語リストで慣れるのが近道。
つながりすぎて聞き取れない
→ エリジオンは実は“聞きやすくするため”のルール。
→ ゆっくりした音源で慣れると急にわかるようになる。
まとめ(要点3つ)
- エリジオンは「母音+母音」を避けるための省略
- アポストロフになる語は限られている(よく使うものだけでOK)
- アンシェヌマン・リエゾンとは仕組みが異なるが、目的は同じ(発音のしやすさ)
発音が綺麗だといわれるフランス語の秘密
エリジオンは、フランス語が“発音しやすさ”を大切にして発展してきたことを示す代表的なルールです。母音と母音が続くと話しにくいため、自然に省略してつながりやすい形に変わりました。
同じくアンシェヌマンやリエゾンも、「流れよく発音できるように」というフランス語らしい工夫が詰まっています。
最初は少しむずかしく感じるかもしれませんが、発音の仕組みを理解していくと、フランス語の音がより軽やかに聞こえ、自然に言えるようになります。一歩ずつ丁寧に練習していきましょう。
次に読むと理解が深まる記事
エリジオンは、フランス語の「音が変化するしくみ」のひとつです。
このしくみをさらに深く理解するためには、同じく音と音がつながるルールであるアンシェヌマンとリエゾンも合わせて知ると理解が完成します。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
▶︎ 【フランス語の発音ルール】「アンシェヌマン」と「リエゾン」の違いとは?
関連リンク(発音シリーズ)
発音の基礎をまとめて読みたい方へのリンク集です。
▶︎ エリジオン(élision)(この記事)
▶︎ リエゾンのルール完全ガイド
▶︎ アンシェヌマンとリエゾンの違い
▶︎ h(アッシュ)|有音h・無音hの違い
▶︎ つづり字記号(アクサン)の種類

