フランス語の発音には、英語とも日本語とも違う「独特のルール」があります。
その中でも学習者が必ずつまずくポイントが、h(アッシュ)の2種類 ― 有音のh / 無音のhです。
どちらも 発音しない “h” であるにもかかわらず、リエゾン・エリジオン(アポストロフ)・音のつながりに大きな影響を与える重要な文字です。
この記事では、「なぜ発音しないのに重要なのか?」「どう使い分けるのか?」を分かりやすく整理して見ていきましょう。
フランス語のh(アッシュ)は発音しないの?
まず大前提として、フランス語のh は、書いてあっても発音しない文字です。
例:
- Hermès(エルメス)→ ×「ヘルメス」
- Hévin(エヴァン) → ×「ヘヴァン」
- Hôtel(オテル) → ×「ホテル
ただし、発音しないからといって、すべて同じ扱いではありません。
ここで登場するのが次の2種類です。
h には「有音のh」と「無音のh」がある
フランス語の h は、音としては発音しない ものの、次のように“役割”が異なります。
無音の h(h muet)=母音と同じ扱い
→ エリジオン(アポストロフ)する
→ リエゾンもする
エリジオンの例
- le homme → l’homme(ロム)
- la histoire → l’histoire(リストワール)
リエゾンの例
- les hommes → レゾム
無音の h は “母音スタート” とまったく同じ扱いです。
そのため、前の語と自然につながります。
有音の h(h aspiré)=子音扱い(音の壁)
→ エリジオンしない
→ リエゾンしない
エリジオンしない例
- le héros(ル・エロ)
※ l’héros にはならない
リエゾンしない例
- les héros(レ・エロ)
※ lez-héros(レゼロ)とつなげるのは誤り
有音の h は、発音こそしませんが、「前の語とつながらない」という“見えない壁”の役割を持っています。
なぜこんなルールがあるの?(安心して先に進もう)
「ヒーローは有音のhなのに、ヒロインは無音のh?」
と不思議に感じるかもしれません。
これは語源(ラテン語・ゲルマン語など)が影響しているためで、綴りから判断するのは難しい領域です。
最初は深く考えず、
- 無音の h → 母音扱い(つながる)
- 有音の h → 子音扱い(つながらない)
この2つだけ押さえておけば十分です。
学習が進むにつれて自然と慣れていくので、まずは少しずつ読み方に触れていきましょう。
つまずきやすいポイント(学習者へのアドバイス)
h が有音か無音かは、綴りだけでは判断できない
→ 辞書の記号で確認するのが最も確実
有音 h は比較的少ない
→ 出会ったタイミングで覚えていけばよい
無音 h は母音扱い
→ アポストロフ・リエゾンを使う
まとめ(要点3つ)
- 有音 h はつながらない(音の壁になる)
- フランス語の h は発音しないが、2種類ある
- 無音 h はつながる(エリジオン・リエゾン)
次に読むと理解が深まる記事
h の仕組みがわかると、フランス語の「音のつながり」がより分かりやすくなります。
さらに理解を深めたい方はこちらへ:
▶︎ 【フランス語の発音ルール】「アンシェヌマン」と「リエゾン」の違いとは?
▶︎ 【フランス語の発音ルール】「エリジオン」とは何か?
▶︎ 【フランス語の発音】リエゾンのルール完全ガイド|する場合・しない場合・どちらでもよい場合
関連リンク(発音シリーズ)
発音の基礎をまとめて読みたい方へのリンク集です。
▶︎ h(アッシュ)|有音h・無音hの違い(この記事)
▶︎ リエゾンのルール完全ガイド
▶︎ アンシェヌマンとリエゾンの違い
▶︎ エリジオン(élision)
▶︎ つづり字記号(アクサン)の種類

