フランス語学習において、動詞の習得はもっとも大切な学習のひとつと言っても過言ではありません。よく「動詞を制するものは、フランス語を制す」などとも言われます。
今回は、フランス語学習において、最初のつまづきポイントでもある動詞の活用とは何か?について簡単に説明します。動詞の活用を学習する際は、何よりも億劫がらずに、淡々と、黙々とひたすらに学習していくことが、一見遠回りをしているようですが、効果的な学習方法ともいえます。
入門の段階から、動詞の活用を楽しみながら身につけていければ最高です!この記事では「活用ってなんですか?」という、よくある質問にお答えします。
動詞の活用とは何か?
はじめに、「活用とはなにか?」簡単に説明します。
一言で、答えをいうなら、
主語にあわせて、動詞の形が変わること
です。
フランス語の主語|主語人称代名詞
フランス語には、主語が8つあります。主語人称代名詞といいます。
わたし | Je(ジュ) | わたしたち | Nous(ヌ) |
きみ(親しい関係) | Tu(テュ) | あなた(初対面や目上)あなたたち | Vous(ヴ) |
彼/それ | Il(イル) | 彼ら/それら | Ils(イル) |
彼女/それ | Elle(エル) | 彼女ら/それら | Elles(エル) |
動詞は主語とともに用いられますが、フランス語では、主語にあわせて、動詞の形が変わります。このことを「動詞の活用」といいます。
例えば、英語のBe動詞も、主語によって形を変えていますね。
▶︎I am / You are / He is など…
動詞の活用|例:être
英語のBe動詞にあたるフランス語の動詞は、être(エートル)と言いますが、この動詞の現在形の活用は次の通りです。
Je suis | ジュ スイ | Nous sommes | ヌ ソム |
Tu es | テュ エ | Vous êtes | ヴ ゼットゥ |
Il est | イレ | Ils sont | イル ソン |
Elle est | エレ | Elles sont | エル ソン |
このように、フランス語の動詞は、8つの主語にあわせて形を変えます(活用します)。
動詞の全体像
まずは頭の中にフランス語動詞の全体像をイメージしておくと、学習段階の現在地を確かめることができます。さらには、奥深いフランス語の世界を垣間見ることで、学習のモチベーションも上がります!
動詞の種類
この例は、現在形の活用ですが、現在以外の時制でも活用しますので、学習の段階ごとに、時制ごとの活用を着実に覚えていく作業が必須になります。
動詞の活用の種類を説明する前に、フランス語の動詞の種類を理解しておく必要があります。
フランス語の動詞の種類は、ざっくりいえば、2種類:
- 規則動詞(第1群規則動詞、第2群規則動詞)
- 不規則動詞(-ir型, -re型, oir型)
ざっくりいえば2種類ですが、不規則動詞の活用の分類も含めるとおよそ10種類ほどです。
動詞の法(叙法)と時制
フランス語の「法」とはなにか?という疑問がまずあるかもしれませんが、ここでは概略を記すにとどめておきます。
フランス語の法(叙法)
フランス語の法の種類は6種類:
人称法:
- 直説法
- 命令法
- 条件法
- 接続法
非人称法:
- 不定法
- 分詞法(-ジェロンディフ)
フランス語の時制
フランス語の時制の種類は、ざっくりいえば、3種類
- 現在
- 過去(半過去、大過去、複合過去、単純過去)
- 未来(単純未来、前未来)
まずは、頭の中に、動詞の【種類、法、時制】おおまかな区分がインプットされているとよいかと思います。
動詞の基本をしっかり理解した上で、活用を覚えていくことも効率的な学習といえます。この記事では、フランス語の動詞の基礎として、法と時制について詳細に解説しています。
動詞の活用|覚え方
フランス語学習をはじめて、いくつかのつまづきポイントがあるかとおもいますが、そのひとつに、「動詞の活用が覚えられない」という悩みがあります。
そのお悩みに応えるべく、私なりの解決策を【心構え編】と【実践編】にわけて、詳しく解説していますので、こちらの記事もあわせてご覧ください。
活用の覚え方(心構え編)
活用を覚えるためのウォーミングアップとしてこの記事を書きました。効果的に覚えるには、まずは何をしたらよいのか?どんな練習方法があるのか?などについて書いています。
活用の覚え方(実践編)
フランス語の動詞の概要がつかめたあとは、どんどん実践していきましょう。活用を覚えるのはとても大変ですが、活用の規則を頭にいれておけば、それほど難しいものではありません。活用の規則を詳細に書いています。
動詞の活用|おすすめ必携書籍
フランス語話者は就学前からもちろんフランス語を話しますが、小学校の国語(フランス語)の授業で、動詞の活用(習う順番は、外国語として学ぶときと多少異なる)を学び、暗記していきます。
そして、フランスの家庭には、必ずといっていいほど、辞書とともに所持しているのが「動詞の活用」の本「Bescherelle(ベシュレル)」です。動詞の活用といえばこれ!というほどの必携本です。
この動詞の活用本は、わたしがフランスにはじめて語学留学した際にも、フランス語の先生より「必ず買うように!」と言われました。本当に頼りになるので、フランス語学習には欠かせない1冊です。
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