おすすめのフランス語の辞書「選び方」初心者から上級まで

おすすめフランス語辞書の選び方 おすすめの本
この記事は約20分で読めます。

フランス語学習者のみなさまからの「おすすめはなんですか?」のご質問に答えていくシリーズ第3回は、「フランス語の辞書」です。

フランス語を学びはじめたてから、フランス語上級まで、どの段階でどんな用途で、どの辞書を選ぶのがよいのか?について、具体例を挙げながら、いろいろな辞書を紹介していきます。

さらに、フランス語学習歴30年以上、フランス語教授歴18年で、現役のフランス語講師が、いま手元にある辞書をすべて公開しながら、初心者のころから、上級にいたるまでの「わたしのフランス語辞書歴」も紹介します。

オンラインレッスン開講中!お気軽にお問い合わせください。

はじめに

「このテーマでブログを書こう」というのは、ずっと考えていたことであり、でも実際書こうとして、ブログ構成を考えながら、自分の思いや考えをめぐらせているうちに、胸が高鳴りました!そうなんです、わたしは辞書がだいすきなのです。

あれもこれも!といろいろ考えが浮かんできました。なつかしく自分のフランス語学習歴も思い出しました!フランス語の辞書は、成長(フランス語力のレベルアップ)とともにどんどん変えていきました。

辞書は洋服に似ていて、「大は小を兼ねません」。つまり、そのレベルや用途にあったものを選ぶべきなのです。ひとくちに「フランス語の辞書」といっても、初級用、中級以上用、仏仏辞書と大きく分けて3種類あります。では具体的にどう選ぶのか?書いていきたいと思います。

入門〜初級:初心者が選ぶべき辞書

フランス語をゼロから学ぶ始める方におすすめの辞書は、初心者用の辞書です。わたしの開講するレッスンの生徒さまのほとんどが、全くの初心者あるいはゼロから学び直しの方ですので、レッスンのなかで聞かれる、「おすすめの辞書は?」という質問の答えにもなります。

答えはこうです。「いますぐに購入する必要はありません!」フランス語をゼロから始めたばかり、レッスンではフランス語入門テキストを使用していて、巻末に単語帳があります。極めて限られている「語彙」ではありますが、まずはここからスタートです!

それでは、「買うタイミングは?」という疑問の答えはこうです。入門の段階で、辞書を買うのにおすすめなのは、「フランス語を続けられそうだな」と思ったり、「学習をしていてもっと調べたい!」と思った時です。

もっとも、フランス語を学習するにあたり、最初から辞書も揃えたいというお声もありますので、そんな時にも、おすすめの辞書はこちらです。

ディコ仏和辞典(白水社)

わかりやすさで選ぶならこの1冊。豊富な用例と丁寧な成句解説、そして使える和仏。発音・会話の音声は無料ダウンロードできます。

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b214118.html

いちばんにおすすめしたいのは、「ディコ仏和辞典(白水社)」です。わたしが初めて購入したフランス語の辞書でもあり、かなりの思い入れと愛着がある辞書です。

登下校の際、晴れの日も雨の日も風の日も、本当に毎日のように持ち歩いて、学生時代をともにした辞書であります。調べるたびに、蛍光ペンでカラーしました。調べやすいように、1枚1枚しわくちゃにして、自分だけのふわふわの辞書を作りました(30年以上前、当時それが格好いいと思っていたんですね…)!

という思い出だけではなく、使い勝手も最高でした!すごく使いやすかった!その一言です。

クタクタになるまで使い込んで、ぼろぼろになってしまい、自分のフランス語レベルが中級になった頃、辞書の買い替えとともに、ディコは本棚でおやすみ。今は、完全に手放した辞書であります。

created by Rinker
¥3,543 (2024/04/24 19:58:46時点 Amazon調べ-詳細)

プチ・ロワイヤル仏和辞典

『プチ・ロワイヤル仏和辞典』は初級者から上級者まで、フランス語を学ぶすべての方に向けた学習仏和辞典。

◆第5版では新語・新語義を追加し、約45,000語を収録。
◆フランス語学習に役立つ囲み記事が、ますます充実しています。
・見出し語とよく結びつく語を集めた「コロケーション」欄を新設
・「語法」欄では、簡潔にわかりやすく語法を解説
・語の違い、使い分けが一目でわかる「類語」欄
◆成句を全面的に見直し、より今日のフランス語を反映させています。
・コミュニケーションに役立つ定型表現「会話文成句」「会話をつなぐ」もさらに充実
・言葉の持つ言外の意味やその表現の使われる場面などを、「!」で示したコミュニケーション注記を新設
◆フランス語の新綴りにマークを付けて併記した初めての仏和辞典。
◆購入者特典として、PCやスマホで使えるオンライン辞典付き。変化形・活用形からの検索や動詞活用表が閲覧できて便利です。また、フランス語の発音、基本フレーズの音声とそのスクリプトをダウンロードすることができます。

https://www.obunsha.co.jp/product/detail/075311

つぎにおすすめしたいのは、「プチ・ロワイヤル仏和辞典」です。正直なところ、この辞書で学習をしたことはないのですが、ひとつの選択肢として、「白水社のディコ」とともに、わたしの生徒さまにおすすめしている辞書です。

おすすめしている理由は、中級になったときに買い換えるべき辞書の初級版であるからです。初めたての頃から、こちらで学習しておくのはよいのではないか?との思いからです。

それともうひとつ、単純に見た目が可愛いです!内容も大切ですが、お気に入りを手元に置いて、学習のモチベーションをあげることもすごく重要!

私の場合、ワインレッドのシックな装丁の「白水社のディコ」を本当に愛していましたので、わたしのフランス語学習はディコとともにあゆみ始めましたが、それぞれが気に入ったものを選んで欲しいと思っています。

created by Rinker
旺文社
¥4,620 (2024/04/24 19:58:47時点 Amazon調べ-詳細)

中級〜上級:フランス語をずっと学びたい方へ

ロワイヤル仏和中辞典

辞書もお洋服と同様、自分の身の丈にあったもの、サイズもそうですが、用途もそうです。つまり、フランス語力がアップすると同時に、辞書もレベルアップさせていく必要があります。初級用の辞書の説明には、「〜上級者まで」と記載がありますが、それでも中級以上になった時には買い替えが必要です。

そこで、おすすめなのは、「ロワイヤル仏和中辞典」です。

初学者から専門家まで使える本格的な仏和辞典です。

◆見出し語は約9万、実用的な用例は約12万収録。
◆特に急速に進歩した情報科学・医学・国際政治経済用語や固有名詞・略語等を積極的に集めました。
◆関連表現を見やすくまとめた用語欄、百科事典的情報が豊富なinfo欄などのコラムも充実。
◆付属CD-ROM(Windows版)は辞典本文に加え、動詞の活用表が閲覧でき、見出しにない変化形からの検索も容易になっています。

https://www.obunsha.co.jp/product/detail/075305

「初学者から専門家まで使える」というのが、ポイントです!実際、わたしは、仏検でいうと2級合格準備をしている段階で、こちらの辞書に移行しています。当時、この辞書を買って、レベルアップの証のようで、少し大人っぽいその装丁にも、満足して、得意な気持ちになって使用していました。

わたしが仏検を受験していた頃は、準2級というレベルはありませんでしたので、いまのレベルで言うならば、準2級に合格したあたりでの、こちらの辞書への移行がベストかと思います。

その頃、わたしは1回目のフランス留学を経験しています。そのフランス留学に持参したのもこの辞書です。当時は、アプリはもちろんのこと、電子辞書さえもまだあまり一般的ではない時代でしたので、紙の辞書のみで、わたしは成長してきた経緯があります。

この記事のさいごに、アプリと電子辞書についても書きますね。

created by Rinker
¥9,202 (2024/04/24 20:09:42時点 Amazon調べ-詳細)

2022年6月現在の情報。残念ながら、ロワイヤル仏和中辞典は、絶版とのことです。新品を買うならお早めに!あるいは中古で買えるかもしれません。

ロベール仏和大辞典

さらにもうひとつ。通称「小学館ロベール」。これがやはり最高峰、最後の砦といってもいい辞書がこちらです。大学院で専門的に言語学(フランス語学)を学んでいた私にとって、憧れの辞書でした!当時、価格は3万円!!それでも、その強い憧れの気持ちによって、引き寄せました。

都会のど真ん中の大学に通っていた私は、通学中に古本屋を覗くのが趣味でよく通っていたのですが、ある日、古本屋さんでたまたま新品同様の「小学館ロベール」と出会い、1万円で手に入れることができました。

●他に類を見ない、最多12万語を収録。
一般語6万、専門語4万と、新語、略語、固有名詞、俗語、隠語など、総12万語を収録。語彙の選択はmあくまでも「現時点における用法」を重視し、今日使われない語は排除しました。フランス語の「いま」が把握できる最新の本格的辞典です。
●新聞・雑誌などによる新しい用例25万。
フランスの代表的な新聞「ル・モンド」や雑誌などに掲載された新鮮な時事的話題から、適切な用例を文脈の長短にかかわらず多彩に採用。大辞典ならではの成果です。
●求める語義がすぐ探し出せる。的確な訳語と解説。
現代フランス語の適訳が、実際の使用頻度に即して見つけられます。歴史主義を改め、現用の立場から大胆な記述の再構成を試みました。
●全分野専門語を徹底的に採録。新語や新略語もギリギリの時点まで追求。
専門語は、文学、語学はもとより政治、服飾など広範にわたり収録しました。人名、事件、団体名などの固有名詞から、新聞や雑誌に頻出する新語、略語も解説つきで採録。

https://www.shogakukan.co.jp/books/09515201

本当なら、図書館で閲覧するような辞書ですが、それが自分の手元にあって、いつでも調べられるという喜び!そうして、わたしの修士課程、博士課程の10年以上に渡る研究生活をこの辞書が支えてくれたのでした!

created by Rinker
小学館
¥30,800 (2024/04/24 19:58:49時点 Amazon調べ-詳細)

のちほど後述しますが、時を経て、カシオの電子辞書にこの「小学館ロベール」が登場するのです!この電子辞書への「小学館ロベール」の登場は、ちょっと大袈裟かもしれませんが、人類が宇宙旅行を果たしたかのような夢のまた夢のようでした。

1つ3万円もする高価な辞書が(そして大きくて重い!)、こんなにコンパクトに持ち運べて、電子辞書なので他のたくさんの辞書も入っていながら、価格も抑えられています。この頃初めて、電子辞書というものを手にしました。もちろん、このカシオの「小学館ロベール」入りのもの!

大学院時代から、教員、フランス語講師時代になると、使用していたのは、もうこの電子辞書のみでした。でも、大学院時代に購入した「小学館ロベール」の紙のほうは、大きくて重厚で、いまでも本棚に堂々とそびえ立っていますので、それはそれで目につくと大変誇らしい気持ちになります。

そうして、いまです!現在のわたしは、「小学館ロベール」のアプリ版をスマホにいれています。実際のところ、いまはこのアプリ版がいちばん重宝していますね!でも、初学者や学習過程では、絶対に紙の辞書をおすすめしています。のちほど後述しますが、アプリでは、仏仏辞書もそろえています。

こどもフランス語 小中学生向け 仏仏辞書

わたしのレッスンを受講しているのは、おとなだけではありません。最近は、小中学生の生徒さんが増えています。フランスのネイティブのお子さん向け辞書2つを紹介します。

こども向け辞書は、母語話者だけでなく、外国語としてフランス語を学ぶお子さんはもちろん、平易な定義が簡単なフランス語で書かれていますので、おとなの学習者さんにもおすすめです!

フランス語辞書のロベールが小中学生向けの辞書を出しています。

Le Robert Benjamin: First French Dictionary

こちらは、6−8歳向け。フランスの学年で言うと、CP、CE1、CE2(日本の学年なら小学校1〜3年生に相当)の学年に対応します。

Le Robert Junior 

こちらは、7−11歳向け。フランスの学年で言うと、CE、CM、6e (日本の学年なら小学校4〜6年生に相当)の学年に対応します。

created by Rinker
¥7,646 (2024/04/24 19:58:50時点 Amazon調べ-詳細)

仏仏辞書の選び方:ロベール派?ラルース派?

仏仏辞書のデビューは、1回目の留学の時でした。下の写真の左から2番目の辞書「プチ・ロベール」がわたしが初めて購入した仏仏辞書です。「見た目がかっこいい!」持っているだけで「なんだか、フランス語ができるようになった気分!」と思ったものですが、実際、こういった仏仏辞書が留学中には必要になったのも事実です。

さてここで、フランス語の辞書といえば、「ロベール」か「ラルース」が代表的ですが、これら2種類にも特徴があります。「青い」ロベールと「赤い」ラルース、こんなふうに色でも二項対立しているのが興味深いですね!

わたしはロベール派

わたしはと言うと、前々から気がついていましたし、こうしてこの記事を書くために本棚からすべての辞書を取り出してみてもよくわかるのが、根っからの「ロベール派」であること。

ロベールは正統派のフランス語の辞書。ちょっと堅苦しい印象がありますが、そのシャープな見た目通り、中身も語彙とその意味や用法、詳しく真面目な感じで掲載されていて、わたし好みです。

仏仏事典はロベール
わたしの「ロベール」コレクション!

Le Robert dico en ligne

こちらは、オンライン版の「ロベール・ディコ」です。PC作業中には、便利です。
https://dictionnaire.lerobert.com/

小学館ロベール

いちばん左の「小学館ロベール」については、和仏辞書で前述にこの辞書への情熱を書いた通りです。

Le Petit Robert

そして、左から2番目が、「プチ・ロベール」初めて購入した仏仏辞書。表紙は年代によってちょっと違いますが、自分のものがやはり1番のお気に入り!

Le Robert junior

左から3番目が、「こども向けのロベール」。この本は、2回目の留学中、フランス語を教えはじめていたことや、フランスの大学院でフランス語教育の専門の修士課程に在籍していたこともあり、フランス語話者向けのフランス語(小学校の国語)で、どのようにフランス語を教えるかについての講義で、この辞書が紹介され、購入しました。

実際、使ってみて、すごくいいのは、簡単なフランス語で意味を確認できるということ。フランス語学習者がいちばん最初に手に取ってみる仏仏辞書としておすすめです!

created by Rinker
¥7,646 (2024/04/24 19:58:50時点 Amazon調べ-詳細)

ロベール・クレ仏和辞典

いちばん右は、初級向けの和仏辞書です。辞書としては、わりと最新の辞書であり、わたしが大学院時代にお世話になった何人かの先生方が編纂したもので、そのうちのお一人の先生からのプレゼントでした!当時、この辞書を作る際、この辞書にどんな思いが込められているのか、とか、装丁はこんなふうに工夫したのだ、とか、お話を聞かせていただいて、わたしのお気に入りの辞書であります。

created by Rinker
¥3,520 (2024/04/24 19:58:51時点 Amazon調べ-詳細)

わたしの夫はロベール派

わたしのフランス語人生の中で、仏仏辞書にラルースの選択肢はこれまでなかったことが、実に面白いのですが、それでも我が家には、ラルースが存在しています。それはなぜかというと・・・

同じくフランス留学を経験しているわたしの夫は、根っからの「ラルース派」でした!彼曰く、小難しくなくて、使いやすい、わかりやすいのだそうです。

確かに、ラルースはコミュニケーションを重視して編纂している傾向があります。使いやすさとっかかりやすさ、わかりやすさに定評ありなのが、伺えますね!でもわたしは、やっぱり「ロベール派」」。こんなふうに、自然と手に取るものが学習者によっても違うのが、面白いなぁと、結婚して本棚(辞書コーナー)を眺めてつくづく感じました!

仏仏辞典はラルース
こちらは、夫のラルースコレクション!

Larousse en ligne

こちらは、ラルースのオンライン版です。
https://www.larousse.fr/dictionnaires/francais

Larousse Dictionnaire Français

ラルースはあまりなじみがないので、コメントのしようもないのですが、実は大学院にいたとき、ラスース系の仏和辞書(白水社ラルース仏和辞典)をわたしの恩師たち数名が編纂しています。そのときの様子をよく知っているので、コミュニケーションを重視した形で、できあがっているのだということが、このラルースの使いやすい点でもあるかと思います。

created by Rinker
¥1,970 (2024/04/24 21:38:52時点 Amazon調べ-詳細)

Larousse Dictionnaire de poche français-anglais

わたしの夫は英語も堪能なので、こういった英仏の辞書もラルースで持っているようです。ポケット版なので、「意味というよりは、訳」、「フランス語単語の英単語はコレ!」といった具合に、シンプルにわかりやすいそうです。夫曰く、このわかりやすさは、ラルース全般に言えることだそうです。たしかにそうかもしれません。

created by Rinker
¥12,945 (2024/04/24 20:09:43時点 Amazon調べ-詳細)

和仏辞書は必要か?

さて、ここまで、仏和辞書と仏仏辞書を中心にご紹介してきましたが、「和仏辞書って必要なんでしょうか?」という疑問にお答えしたいと思います。

その前に、わたしは和仏辞書を1冊のみ持っています。これは、はじめて渡仏するとき、「お守りがわりに持っておこう!」と思って購入したものです。

初めての渡仏は、10代のころ。幼かったわたしが当時考えたのは、フランスに滞在中「これってフランス語でなんていうんだろう?」となったとき、「和仏辞書があればなんとかなるのではないか?」ということでした。もう何十年も前は、いまのように、Googleやアプリなどで手軽に調べられませんから、こういった紙の辞書が重宝したものです。

前述した、1回目の留学中も、この和仏辞書は持っていき、たびたび使っていたので、とても役に立った記憶がありますが、初代、二代目の仏和辞書がボロボロになったのに対して、この和仏辞書は一代限り、そしていまも保存状態はとてもよいことからもわかる通り、日本でのフランス語学習には、それほど必要としなかったという事実があります。

というわけでは、「和仏辞書って必要なんでしょうか?」という疑問にお答えは、いまの時代なら必要ないのではないでしょうか。

現代和仏小辞典

でも、念の為、わたしがずっと持っている和仏辞書を紹介しておきます。この辞書も使用頻度こそ少ないけれど、かなりの優れものです。シンプルなんです。小さいんです。軽いんです。旅行にぴったり!今の時代はスマホに置き換わっていますから、それでも和仏辞書が欲しい!というかたには、断然!自信を持って、この辞書をおすすめいたします!

やっぱりこれも白水社です。わたしは、白水社だいすきなんですねぇ。フランス語書籍で、気に入るものはたいてい白水社です。

created by Rinker
¥3,520 (2024/04/24 23:20:04時点 Amazon調べ-詳細)

紙の辞書を選ぶときの注意点

ここまで、辞書についてのいろいろな角度からの説明にお付き合いいただき、ありがとうございます。紙の辞書を中心にご紹介してきましたが、注意点もあります!

まずは、「言葉は生きている」ものですので、出版年度が新しくない「紙の辞書」には、それなりに不都合もあるということです。できれば、最新版を購入することをおすすめします。

それでも、古くならない情報(語の意味など)や、初級向けの辞書には、ゆるぎないそれぞれの辞書の特徴の掲載された学習コラム的なものや、簡単な文法説明などが掲載されているため、年式にかかわらず、辞書と仲良くなるにこしたことはありません!

紙の辞書が最近はあまり流行らないかもしれませんが、じっくり学習に向き合うにはメリットもあります。使い勝手は、たしかにアプリや電子辞書でささっと調べられるので、それなりに紙の辞書は劣るかもしれませんが、その代わり紙の辞書には「あじわい」があります。

一言でいうなら、ページをめくって、調べる喜びですね!本が好きな方なら、同感してくれるかもしれませんね。

わたしの生徒さんには、不便でも初めは紙の辞書を持って、単語を調べるというひとつの作業を大切に、それぞれのフランス語学習ストーリーを作って欲しいなと思っています。

電子辞書とアプリの辞書

と、ここまでわりと熱く「紙の辞書」について説明をしてきましたが、そんなわたしも、近年は、もう完全にアプリですよ!フランス語の辞書は!!

アプリの登場により、電子辞書は引退しました…。わたしのカシオの電子辞書は、引き出しのなかに眠っています。電子辞書を買うのであれば、前述しましたカシオの「小学館ロベール」が入っているものを必ずおすすめします。

でも、今は購入できるのであれば、アプリです。便利なんですよ、の一言に尽きます!スマホやタブレットの中に入れて持ち運べますし、自分の好きな辞書を購入すればいいのです。

わたしは、紙の辞書でお気に入りの辞書のアプリ版を今は使っています。

こんなラインナップです。これらがわたしのスマホとタブレットに入っています。

フランス語の辞書アプリ
わたしの「ロベール」コレクション!アプリ版

わたしの好きな仏仏・英仏辞書:シンボル事典と百科事典

最後にお楽しみ辞典のご紹介!これらは単純に、楽しいので私の趣味のようなものです。でも、一つ目のシンボル辞典は、フランス語学研究をしていた時代に重宝していて、今でもたまに、「語の象徴する意味」を調べたいときに、使っています。もう一つは、娯楽の分野ですね。その名も、「visule:ビジュエル」という百科事典で、「日本語でも知らないよ!」というような細かい部品や部位などまでも、細かーく名称が載っていて、楽しいんです♪

フランス語の百科事典

Petit Larousse des symboles

わたしにとっては、これが唯一のラルースの辞書です。シンボル辞典!

楽しいんです。「へぇ、これはこういうこと意味しているんだぁ!」といった具合に、その語の象徴する意味を調べることができる辞典です。たとえば、絵画をみていて、「ここに蛇が描かれているけれど、フランス語(あるいはラテン語の世界)では、蛇ってどんなことを象徴するんだろう?」という疑問が湧いたときに、この辞書が答えてくれるのです。

楽しいので、絵画やフランスの芸術がお好きな方におすすめ!フランス語の世界を理解するのに、語そのものの意味とあともうひとつ、奥に隠された意味を知ることができるので、「フランス文化をも」知ってこそ、フランス語を学ぶ醍醐味につながるわけです。

わたしにとっては、そういう表面的ではない、奥の深いフランス語教育こそがわくわくするポイントです!

created by Rinker
¥2,515 (2024/04/24 19:58:53時点 Amazon調べ-詳細)

Le mini Visuel français-anglais

英仏辞典
Le Visuel の bicyclette のページ

これはもう、言語教育の範囲を超えている感じ、道楽の分野です。こちらは、ありとあらゆる単語のマニアックな部分が掲載されているフランス語と英語の百科事典になります。

「ぱっと見、こんな部分にも名称があるの?」と、目を疑ってしまうのですが、丁寧に事細かに、それぞれの名称が、英仏で載っています。「日本語で何て言うのかな?」と母語でもわからない単語もしばしば。わたしは持っていませんが、日本語版も販売されているようです。

created by Rinker
¥3,699 (2024/04/24 21:38:53時点 Amazon調べ-詳細)

まとめ:わたしのフランス語辞書歴

ここまで大変長い文章をお読みいただき、うれしいです!最後に、わたしのフランス語辞書歴をまとめておわりにいたします。

初めての辞書:
仏和 ディコ仏和辞典(白水社)
和仏 現代和仏小辞典(白水社)
仏仏 Le Petit Robert

中級の頃の辞書:
仏和 ロワイヤル仏和中辞典

上級の頃の辞書:
仏和 ロベール仏和大辞典(小学館ロベール)

これが、わたしのフランス語の学び初めから、上級レベルになるまでにお世話になったフランス語の辞書のラインナップです。こうして、記事を書いて思い返すと、本当に感慨深いものがあります。成長してきた痕跡がこちらにあるのだなぁと。

これらが実際に、わたしが使用してきた辞書ではありますが、今回の記事で、掲載している辞書はすべておすすめの辞書です。

わたしの使用してきた辞書については、あくまでも参考にとどめてもらい、ご自身で実際に手に取られて、「これだ!」と思う辞書をご自身のものとして、フランス語辞書ストーリーをそれぞれに作ってもらえればと思っています。

この記事が、フランス語学習のための辞書選びのお役に立てましたら、幸いです!

「おすすめは何?」シリーズ、第4回につづく。

もっとフランス語を学んでみたいな!と思ったら、ぜひオンラインレッスンをご受講ください。

オンラインレッスン開講中!お気軽にお問い合わせください。

フランス語学習に役に立つ動画を毎日配信しています!無料のYouTubeレッスンです。