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愛の讃歌|Hymne à l’amour|聴き比べ♪

愛の讃歌 フランス文化
この記事は約10分で読めます。

「フランスのシャンソンといえば?」と聞かれたら、まずいちばんに思い浮かぶのは、エディット・ピアフ(Édith Piaf)です。フランス語を勉強しているなら、一度は耳にしたことのある名前ではないでしょうか?

大学の講義で学生たちに聞いてみると、ほぼ全員が彼女のことを知らなかった(!)ので、大切なフランス文化の継承として、フランス音楽を紹介していきたいと思います。

この記事では、エディット・ピアフが1950年に発表した曲「愛の讃歌(Hymne à l’amour)」を紹介しながら、カバー曲の聴き比べをします。

2024年のパリオリンピックの開会式のフィナーレを飾ったのもこの曲でした!世界の歌姫セリーヌ・ディオンが熱唱し、感動につつまれました。2021年の東京オリンピックの閉会式でも、シンガーソングライターのmiletさんが日本語とフランス語で歌っています!

日本では、「愛の讃歌」というタイトルで、歌詞も日本語に翻訳され、日本語バージョンがあります!日本語版では、オリジナルのエッセンスを受け継いで、日本語らしい愛の語りを味わうことができます。

エディット・ピアフ|Édith Piaf

エディット・ピアフの生涯を知ると、アーティストの魂を背負ってかなり骨太に生きたのではないかと思わされます。なんだか切なく、時代を生き切った気がしてなりません。

【略歴】1915年、パリ20区のベルヴィル (Belleville) に生まれる。貧しい地域で生まれ、彼女の幼少期の境遇は、彼女の人格と人生観に強いインパクトを与えたと言われている。1935年にナイトクラブのオーナーに見出され、歌を歌うようになったという。1940年には、ジャン・コクトーが彼女のために脚本『Le Bel Indifférent』を執筆する。そして、1950年「愛の讃歌」発売。恋愛やいくつかの結婚、闘病を経験し、1963年に生涯を閉じる。そして、なんと同日に友人のジャン・コクトーが死去した。

略歴をまとめてみましたが、調べてみたら、まず、エディット・ピアフとジャン・コクトーが友だちだったという事実にびっくり、そしてまた、ピアフの死去の知らせを受けたジャン・コクトーがその夜亡くなったという事実に衝撃を受けました。

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映画|『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』La Môme

La Môme (2007) Bande Annonce

エディット・ピアフの生涯についての映画です。この動画は予告編のみですが、「彼女はいったい、どんな人生を歩んだのだろう?」と関心を抱いた方は全編をぜひご視聴ください。

シャンソン歌手エディット・ピアフの生涯を描いた、2007年公開のフランス製作の伝記映画

主演のマリオン・コティヤールは、第33回セザール賞主演女優賞と
第80回アカデミー賞主演女優賞を受賞

〜映画のタイトル比較〜
🇫🇷 La Môme
🇬🇧 La Vie En Rose
🇯🇵 エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜

フランス語のタイトルは、La Môme(子供、若い女などの意味)で、英語のタイトルは、La Vie En Roseという彼女の曲のタイトルが映画のタイトル(*英語ではなくてこれはフランス語です)になっています。日本語のタイトルは、エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜ですから、また違う彼女の代表曲がタイトルになっていて、なんだか面白いです。

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愛の讃歌|エディット・ピアフ

まずはオリジナルのエディット・ピアフの「愛の讃歌」を聞いてみましょう。

【フランス語】愛の讃歌 (Hymne à l’amour) (日本語字幕)

作詞はピアフ、作曲はマルグリット・モノー(1950年に発表)

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パリオリンピック開会式|愛の讃歌(セリーヌ・ディオン)

パリオリンピックの開会式のフィナーレを飾ったのは、世界の歌姫セリーヌ・ディオンの熱唱でした。セリーヌ・ディオンはカナダの歌手です。「なぜ、フランスのオリンピックでカナダの歌手が?」と思われる方もいたかもしれません。彼女は、カナダと言ってもフランス語圏ケベック出身の歌手で、彼女の母語はフランス語です。

開会式では、「だれが?何を歌うか?」といった事前情報は始まるまで、極秘となっていました。フランスのテレビニュースでは、開会式の数日前に、レディ・ガガとセリーヌ・ディオンがパリに到着したといって、開会式のパフォーマンスに期待があふれていました。

実際、わたしも開会式を見ながら、「いつでてくるのかな?」と楽しみにしていました。歌う曲についての事前情報は皆無だったので、イントロが流れた瞬間、「あ!・・・」と、時が止まったような感覚を覚えています。と同時に、それがすぐに「愛の讃歌」であると気が付き「なるほど〜!」と納得したのでした。

Celine Dion en la Ceremonia de Apertura de Paris 2024 🎤✨

この動画で歌っている箇所はこちらの最後のところです♪

Si un jour, la vie t’arrache à moi
Si tu meurs, que tu sois loin de moi
Peu m’importe si tu m’aimes
Car moi je mourrais aussi

Nous aurons pour nous l’éternité
Dans le bleu de toute l’immensité
Dans le ciel, plus de problème
Mon amour, crois-tu qu’on s’aime?
Dieu réunit ceux qui s’aiment

私はパリオリンピックの開会式をライブで始めから最後まで見ていました。感動するポイントは多々ありましたが、誰も文句なしの感動シーンは、このラストの「愛の讃歌」の熱唱だったのかなと思います。

神々しいほどのセリーヌ・ディオンの強さを目にして、本当に感動しました。2022年に活動休止、闘病からの復活という意味もありました。

開会式のクライマックスになると、パリの街は夕日がすっかりと沈み、夜の背景にエッフェル塔のイルミネーション、その夜景の次の場面には、真っ白に輝くドレスをまとった彼女の姿が、神々しく輝いていました。イントロの数秒間は、ぐっと息を飲むほどの名シーンでした。

パリオリンピック開会式のフィナーレを飾ったこの曲を大学のフランス語の授業で学生たちに見せました。すると、まず開会式自体を見ていない学生が多数、セリーヌ・ディオンのことを知らない学生はほぼ全員・・・。

言語と文化は切っても切り離せないですから、こう言った内容を伝えることも大切だなぁと痛感しました。でも、映画「タイタニック」は知っているかどうか尋ねると、「うん、うん」とみな頷いて知っているようでした。タイタニックの主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」(My Heart Will Go On)は彼女の代表作ですね!

Full Opening Ceremony ✨| Full Replay | Paris Replays

パリオリンピック開会式の全編を見ることのできるこの動画では、セリーヌディオンの「愛の讃歌」をはじめから終わりまで、見ることができます。

セリーヌディオンの「愛の讃歌」は、3:56:00〜。開会式のフィナーレを飾りました!
▷最後のランナーが到着し、聖火トーチが気球とともにあがっていく場面からのエッフェル塔、そこには世界の歌姫、セリーヌ・ディオンが!!

東京オリンピック閉会式|愛の讃歌(Milet)

パリオリンピックが終わって、大学の夏休みも終わり、後期第1回の授業で、セリーヌ・ディオンの開会式の「愛の讃歌」とそのオリジナル版であるエディット・ピアフの「愛の讃歌」の聴き比べをした際、なんと東京オリンピックの閉会式でも、この曲が歌われていたことを知りました。Miletさんという歌手が、冒頭のみ日本語で(すごく好きでした!)そのあとフランス語で歌っていました。

milet -「愛の讃歌」 Hymne à l’amour At Tokyo 2020 Olympics Closing Ceremony 8/8/2021

この動画で日本語で歌っている歌詞♪とフランス語で歌っている歌詞はこちら!

あなたの燃える手で
あたしを抱きしめて
いのちの限りに
あなたを愛するの

Le ciel bleu sur nous peut s’effondrer
Et la Terre peut bien s’écrouler
Peu m’importe si tu m’aimes
Je me fous du monde entier

Tant qu’l’amour innondera mes matins
Tant qu’mon corps frémira sous tes mains
Peu m’importe les problèmes
Mon amour, puisque tu m’aimes

Dieu réunit ceux qui s’aiment

東京オリンピックの閉会式で、この曲が歌われ、次の開催国フランスのパリオリンピックへのバトンが渡された、と考えるとさらに味わい深いものがあります。

映像も、曲の雰囲気も現代風にアレンジされていて、この「愛の讃歌」はすごく斬新で、東京らしくてけっこう好きです。

愛の讃歌|越路吹雪(岩谷時子:日本語訳詞)

日本では岩谷時子の訳詞(日本語詞)により越路吹雪が唄ったものが特に有名とのことです。

Hymne à l’amour 愛の讃歌〜越路吹雪

日本語の歌詞は原語フランス語の世界観をしっかりと再現できていて、素敵でいいなと思いました。オリジナルのエッセンスをしっかりと抽出していて、日本語ならではの愛の世界を感じられるように思います。

愛の讃歌|フランス語の歌詞

動詞の単純未来形や条件法がたくさん使われているのが、この歌の特徴。R(エール)の発音が、本家であるエディット・ピアフは、かなり巻き舌で歌っているのが印象的でした。シャンソン歌手は基本的に現代フランス語のRの発音というよりは、シャンソン特有の巻き舌風のRが特徴なのかなぁと思います。

Le ciel bleu sur nous peut s’effondrer
Et la Terre peut bien s’écrouler
Peu m’importe si tu m’aimes
Je me fous du monde entier

Tant qu’l’amour innondera mes matins
Tant qu’mon corps frémira sous tes mains
Peu m’importe les problèmes
Mon amour, puisque tu m’aimes

J’irais jusqu’au bout du monde
Je me ferais teindre en blonde
Si tu me le demandais
J’irais décrocher la Lune
J’irais voler la fortune
Si tu me le demandais
Je renierais ma patrie
Je renierais mes amis
Si tu me le demandais
On peut bien rire de moi
Je ferais n’importe quoi
Si tu me le demandais

Si un jour, la vie t’arrache à moi
Si tu meurs, que tu sois loin de moi
Peu m’importe si tu m’aimes
Car moi je mourrais aussi

Nous aurons pour nous l’éternité
Dans le bleu de toute l’immensité
Dans le ciel, plus de problème
Mon amour, crois-tu qu’on s’aime?
Dieu réunit ceux qui s’aiment

今回はいろいろな歌手が歌う「愛の讃歌」を紹介しました。愛を歌う曲は、じんわり心に響きますね。人生をいろいろ経験しているそれぞれの歌手の曲の聴き比べはいかがでしたか?

私が彼女の曲の中でいちばん好きなのは、1998年のグラミー賞名誉賞を受賞している「ばら色の人生(La vie en rose)」です。彼女の代表曲ですね!この曲についても、次の機会に紹介したいと思います!

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