フランス語の規則動詞である「第2群規則動詞」(ir動詞の)全時制の活用の規則と覚え方について、詳細に解説します。
フランス語|動詞の全体像
はじめに、フランス語の動詞は、規則動詞か不規則動詞かにわけることができます。規則動詞は、動詞全体のおよそ9割を占めています。
フランス語動詞の全体像をわかりやすく分類すると、以下の2つに分類することができます。
- 規則動詞
- 不規則動詞
この記事で学ぶ「第2群規則動詞(er動詞)」は、規則動詞に分類されます。さらに注目すべきポイントとして、このグループの動詞は、フランス語動詞の全体の9割を占めているということです。
規則動詞に分類される動詞は、同じグループの動詞すべてに、同様の活用の規則が適用されます。例えば、第2群規則動詞(ir動詞)には、そのグループの動詞すべてに適用できる【活用の規則】があります。
第2群規則動詞(ir動詞)とは?
「第2群規則動詞」は、不定詞の語尾がirで終わることから、「ir動詞」とも呼ばれます。以下、ir動詞とします。irで終わる不規則動詞とは異なり、活用が規則的なのが特徴です。
第2群規則動詞|活用のルール
動詞の活用は、【語幹と活用語尾】を覚えていくことから始めます。
第1群規則動詞|語幹と活用語尾
【IR動詞の語幹】
不定詞(動詞の活用しない形のこと)からrをのぞいたもの
【IR動詞の活用語尾】
Je -s
Tu -s
Il -t
Nous -ssons
Vous -ssez
Ils -ssent
例えば、「終える」という意味の動詞 finir(フィニール)の活用は以下の通りです。
主語人称代名詞 | 語幹 | 活用語尾 | 主語人称代名詞 | 語幹 | 活用語尾 |
Je(ジュ) | fini | s(フィニ) | Nous(ヌ) | fini | ssons(フィニッソン) |
Tu(テュ) | fini | s(フィニ) | Vous(ヴ) | fini | ssez(フィニッセ) |
Il(イル) | fini | t(フィニ) | Ils(イル) | fini | ssent(フィニッス) |
Elle(エル) | fini | t(フィニ) | Elles(エル) | fini | ssent(フィニッス) |
ir動詞の活用の特徴としては、人称代名詞の単数(je, tu , il, elle)と複数(nous, vous, ils, elles)とで、わけて分析することができます。
人称代名詞の単数では、活用語尾が、1、2人称(je, tu)で -s、3人称(il, elle)で -t となるのが特徴です。これは、後述する不規則動詞の活用語尾にもみられる共通する特徴です。
人称代名詞の複数では、活用語尾に、かならず -ss が入るのが特徴です。-ss のあとには、er動詞の活用語尾が続きます。er動詞をまず学習するのは、こういった積み重ねの知識が役に立つからです。
第2群規則動詞|(聞き流し)発音練習
基本的な第2群規則動詞の活用の発音練習動画です。
基本的な第2群規則動詞
choisir, obéir, réussir, finir, réfléchir, grandir
全時制【直説法の現在、複合過去、半過去、単純過去】とそれぞれの時制ごとにそれぞれ動画があります。学習したい時制(活用)の動画をご活用ください。聞き流しとしてもご利用いただけます。
全時制
直説法現在
直説法複合過去
直説法半過去
直説法単純未来
第2群規則動詞|発音練習
基本的な第2群規則動詞の活用の発音を確認したい場合は、個別の動画をご活用ください。時制ごとにそれぞれの動画をご用意しています。
Youtube|第2群規則動詞(-ir動詞)一覧
choisir 🇯🇵 選ぶ 🇬🇧 choice | obéir 🇯🇵 従う 🇬🇧 obey | réussir 🇯🇵 成功する 🇬🇧 succeed |
(choisi) | (obéi) | (réussi) |
全時制 | 全時制 | 全時制 |
現在 複合過去 半過去 単純未来 | 現在 複合過去 半過去 単純未来 | 現在 複合過去 半過去 単純未来 |
finir 🇯🇵 終える 🇬🇧 finish | réfléchir 🇯🇵 熟考する 🇬🇧 reflect | grandir 🇯🇵 大きくなる 🇬🇧 growing up |
(fini) | (réfléchi) | (grandi) |
全時制 | 全時制 | 全時制 |
現在 複合過去 半過去 単純未来 | 現在 複合過去 半過去 単純未来 | 現在 複合過去 半過去 単純未来 |
動詞の活用|覚え方
フランス語学習をはじめて、いくつかのつまづきポイントがあるかとおもいますが、そのひとつに、「動詞の活用が覚えられない」という悩みがあります。
そのお悩みに応えるべく、私なりの解決策を【心構え編】と【実践編】にわけて、詳しく解説していますので、こちらの記事もあわせてご覧ください。
活用の覚え方(心構え編)
活用を覚えるためのウォーミングアップとしてこの記事を書きました。効果的に学習を進めるために、まずは「何をしたらよいのか?」「どんな練習方法があるのか?」などについて書いています。
活用の覚え方(実践編)
フランス語の動詞(活用)の概要がつかめたあとは、どんどん実践していきましょう。活用を覚えるのはとても大変ですが、活用の規則を頭にいれておけば、それほど難しいものではありません。フランス語の動詞の種類を紹介しながら、それぞれの活用ルールを詳細に説明しています。
動詞の活用|おすすめ必携書籍
フランス語話者は就学前からもちろんフランス語を話しますが、小学校の国語(フランス語)の授業で、動詞の活用(習う順番は、外国語として学ぶときと多少異なる)を学び、暗記していきます。
そして、フランスの家庭には、必ずといっていいほど、辞書とともに所持しているのが「動詞の活用」の本「Bescherelle(ベシュレル)」です。動詞の活用といえばこれ!というほどの必携本です。
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